10/01/2024

【タイの食】旅のおかず

旅の楽しみの一つと言えば、やはり「何を食べるか」がプライオリティの上の方にくるように思う。その点、タイには美味しい食べ物が多く、旅ならずとも住んでいても楽しみには事欠かない。

旅行や出張で海外へ出ると、見るもの食べるもののほとんどが珍しく、片っ端から見て食べてきたものだが、僕はそんな旅先での食事を「旅のおかず」と呼んでいる。

その点、タイは「旅のおかず」がかなり充実していて、冒頭にも書いた通り、日常のおかずにも美味しいものが揃っている気がする。

タイ料理という括り方が自分の中で今ひとつはっきりとしないが、例えばバンコク都内でも日本人をはじめとした外国人が多く居住するスクンビット。そのスクンビット26(BTSプロンポン駅近く)にあるクイッテアオウ(小麦や米の面を使ったラーメンのようなもの)の超有名店の「ルンルアン」なんかは、最初に食べた時にはびっくりした。無礼な言い方だが「なんでこんな店に、こんな美味いものがあるんだ」と思った。

野暮用があって出かけたBTSのセナニコン駅近くにある「モンコンワッタナー」のカオマンガイも、蒸し鶏をのっけただけのご飯が、なんでこんなに美味しいんだと絶句した。まあ、こんな場所まで日本人はなかなか出かけないだろうから、知らない方も多いと思う。とにかくバンコクというのは間違いなく美食の街。ミシュラン掲載店なんていうのも多いのだが、何でもない構えの古ぼけた店で出すものが“絶品”なんていうこともけっこうある。

最近感動したのは、ペッチャブリー県の山の中で、観光農園のおばちゃんが作ってくれたトムカーガイ。これは涙が出るほど美味しかった。もともとホワイトソース(この料理はココナッツ)のスープは好きなのだが、あれはタイ料理というよりも西洋の料理に近い気がする。だからきっと「世界最高のチキンスープランキング(Best Rated Chicken Soups in the World)」で第一位の栄冠に輝いたのだろう。タイという文化は、本当に何もかも飲み込む。そしてタイの文化や歴史を適度に織り込んでから巧みにアウトプットする。

吉田一紀


ペッチャブリーの観光農園で出してくれた昼食。左下が“奇跡のトムカーガイ”


「トムカーガイ」に使われる素材やスパイスの一部。これらが絶妙なハーモニーを奏でる


日本人にも好きな人が多い「パッタイ」。これはアントーンにあるタイのパッタイ大会で優勝した名店のもの


タイ北部の入り口にあるナコンサワンでよく食べる「ガオラオ」。澄んだガラ炊きスープに大根やルークチン(鶏や豚の肉団子)が浮かんださっぱり味のメニュー


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